第8回

 昔の風景

真っ直ぐな一本の道が駅へと走っている
道はどろ道で時たま牛馬が通る
道に沿って清流が流れ
小川で水遊びができた
川底ではザリガニやタニシが這いずり
鯉や鮒が泳ぎ
川面に鯰が顔を出す
近くに田んぼや畑があり池もあった
あぜ道の野草が季節の移ろいを感じさせる
水田にはおたまじゃくしが泳ぎ
春先には裏の梅の木に
鶯が春を告げにくる
キャベツ畑の葉裏でさなぎが孵化して
レンゲ畑にモンシロチョウが舞う
初夏にはおたまじゃくしがカエルとなり
蛙の合唱が田園風景を奏でる
暑い夏には蝉が鳴き
スイカを井戸で冷やして食べた
秋になると池の周りをトンボが飛んで
田んぼには稲穂がたわわに実る
梨山にはみずみずしい梨がなり
柿の木に百舌が実をついばみに来る
十五夜には縁側に団子 芒 果物を供えて
月を愛(め)でる

山 一歩