昔の遊び
昭和28年から昭和30年頃のこと
路地に面した庭に
三々五々学校帰りの子供が集まって来る
缶けり Sケン 馬跳び等で 日が落ちるまで
夢中で遊んだ
女の子はゴムとび 石けりで遊んでいた
雁(かり)が西の空に消え入るころ
漸く子供たちは家路につく
お母さんが夕飯の支度をしている間
ラジオで「一丁目一番地」「笛吹童子」「紅孔雀」「オテナの塔」を
聞いていた
夕食は丸いちゃぶ台で
お父さんお母さん妹と僕の四人で囲んだ
その後夏は蚊帳の中で冬は湯たんぽが入った布団の中で
月刊誌ぼくら 少年画報を読んで眠りについた
週に一度プロレスがあるときは
近所のテレビのある家に見に行く
力道山とシャープ兄弟を
手に汗して見つめた思い出がある
山 一歩