第30回

半ドン

冬が過ぎて陽気な春日和

半日の仕事を終えて

中華料理店に駆け込み

冷えたビールを一口流し込む

そして餃子とレバニラ炒めを肴におもむろにビールを飲む

一週間のけじめとして

とてもいい気分で土曜の午後のひと時を過ごす

どんよりした土曜日

地下食でトン汁ライスを食べて

製本屋の叔父さんと将棋を指す

叔父さんは国鉄を退職してとうに60を過ぎた職人である

負けると熱くなってかっかしてくるのが分かる

駒を握りしめ盤面に没頭する

何番さしてもやめる気はない

時間のたつのを忘れて将棋を指す

門を出る頃は日が落ちて暗くなっている

 

山 一歩