第42回

 冬 空
とおに稲刈りの終わった田んぼ
稲の切り株が遠くまで幾何学模様に並んでいる
刈り取られた稲穂が田んぼの片隅に
円錐形に積み上げられている
畔に
愛犬シルクと佇む
陽は西に傾き鳥たちはねぐらに急いでるようだ
シルクの綱を解離すと
シルクは喜び勇んで田んぼの中を飛び回る
人ひとりいない田んぼ中を
シルクは疲れを知らず寒さを感じず
行ったり来たり飛び回っている
木枯らしが吹く冬空
哀愁と寂しさが漂う誰もいない田んぼ
シルクの喜びの姿とは裏腹に
冬の音づれは悲しく切ない気持ちにさせる
冬空に遠く高く
小さく小さく凧が上がっている

山 一歩