第50回2019年4月1日

 特 攻
物書きの端くれとして書き残しておかなければならない
狂気の沙汰である太平洋戦争のことを
事実 事実なのだ この事実を
この戦争の悲惨な悲劇を
何時しか人々の記憶から消えてしまう
4000人もの若者が南の空に南の海に散って行ったことを
今日のこの平和そして繁栄は彼ら英霊の犠牲による
それ故英霊に感謝の誠を捧げ語り継いでゆかねば
お国のため天皇万歳と言って死んでいったのではない
お父さんお母さん兄弟恋人に愛を捧げるために犠牲となったのだ
志願兵として海軍兵学校で訓練を受け各地の部隊から
知覧に集められる
出撃の命が下された時の心境たるや如何ばかりか
酒を飲みに行くもの花街に繰り出すもの
部屋に閉じこもり遺書をしたため瞑想に耽るもの
時間は止まることなく出陣の朝を迎える
お母さんお元気に過ごしてください
僕は飛び立ちます
そして南の空南の海に消えていった
いつまでも南の空に向かって頭(こうべ)をを垂れる

山 一歩