第56回

秋 祭 り
夏の陽が落ちて
秋風に涼やかに稲穂が靡く
朝顔が姿をけしコスモスが咲き誇る
セミが夏を惜しんで鳴き鈴虫コオロギが秋を告げに鳴きだす
十五夜(中秋の名月)に農家の縁側には
すすきを飾り団子 芋 栗 果物等を供えて祝う
供え物を食するとご利益があるとの慣わしで
子供たちは供え物を失敬に行く
十月に入ると神酒所が造られ祭囃子が聞こえてくる
秋祭りは十月の初めに行われる
近所のおじさんたちは神酒所で車座になって酒を酌み交わし
親睦を図っている
幼い子供たちは山車を引いて町中を練り歩く
神酒所で飲み物やお菓子を貰って笑顔で喜んでいる
二日目は子供みこしと大人神輿が出る
子供みこしは主に小学校の高学年が担ぎ手で
ワッショイワッショイの掛け声のもと
みこしの重さに汗をかきかき練り歩く
神酒所で冷たい飲み物を口にしてほっとする
大人神輿はセイヤソイヤセイヤソイヤの掛け声で勇壮に練り歩く
やれ運動会だやれお祭りだと言っていたおじさんとおばさんは
もういない
秋祭りはこれからも続くでしょう

山 一歩