第77回

 雲を追って
ふと空を見上げる
雲が浮かんで流れていく
また浮かんで流れていく
その雲を追って
子を思う妻を思う母を思う
そして遠く故郷を思う
思う心は愛であり祈りである
現実が思い出が何もかもが
雲に乗って手の届かない彼方に
消え入りそう
自分には何もできない何もできない
天を仰いで祈るしかない
雲を見つめて祈り続けるしか
何でもないことを
無事を祈って
山 一歩